この記事で分かること
- 転職活動の流れ7段階と、それぞれにかかる期間の目安
- 在職中に進めるか、辞めてから進めるかの判断材料(失業給付の待期と給付制限を含む)
- 退職を伝える時期、会社から受け取る書類、健康保険と年金の切り替え
転職を考え始めると、まずどこから手を付けるかで止まります。求人を見始めたものの、書類はいつ作るのか。会社にはいつ言うのか。辞めた後の保険はどうなるのか。順番が分からないまま動くと、内定が出てから退職の話がこじれたり、保険の手続きを忘れて医療費を全額払ったりします。
以下、転職活動を準備から入社まで7つの段階に分け、段階ごとにやることを並べました。退職の申し出、失業給付、健康保険と年金は、2026年10月時点の厚生労働省・ハローワーク・日本年金機構のページで確かめた内容です。

転職活動の流れと期間の目安
転職活動は、次の7段階で進みます。応募先に出す書類の書き方は、2つ目の段階からそれぞれの記事に案内します。
| 段階 | 期間の目安 |
|---|---|
| 1. 準備(棚卸しと条件) | 1〜2週間 |
| 2. 応募書類を作る | 1〜2週間 |
| 3. 求人を探して応募 | 2週間〜1か月 |
| 4. 面接 | 応募から2〜4週間 |
| 5. 内定と条件の確認 | 1週間前後 |
| 6. 退職の申し出と引き継ぎ | 1〜2か月 |
| 7. 入社と保険・年金の手続き | 退職後すぐ |
全部を足すと、目安で3〜6か月です。ただ、これは在職中に1社ずつ丁寧に進めた場合の幅で、離職後に応募を重ねれば短くなります。段階1〜3は重ねて進められます。求人を見ながら書類を直すのが普通で、私が相談を受けた人でも、最初の応募までに書類が完成していた人はほとんどいません。
逆に、6の退職には相手の都合が絡みます。後任の手配、繁忙期、就業規則の申し出期限。ここだけは自分のペースで縮められないので、内定から入社までは1〜2か月を見ておくと計画が崩れません。
在職中に転職するか、辞めてから転職するか
最初に決めるのは、在職中に進めるか、辞めてから進めるかです。どちらを選ぶかで、7段階の順番が少し変わります。
履歴書メーカーで2026年8〜10月に職歴を書いた586人を集計すると、職歴の最後が「現在に至る」「在職中」の人、つまり働きながら応募書類を作っていた人は146人で、4人に1人が在職中に転職活動をしていました。履歴書の件数で数えても、職歴のある977件のうち232件(24%)が在職中です。

在職中の人は、職務経歴書も作った割合が43%で、退職済みの人(33%)より10ポイント高い結果でした。在職中の応募は、同じ職種への転職や、経験を見せる中途採用の求人が中心になりやすい。職務経歴書を求められる場面が多いのだと私は読んでいます。
在職中に進めると、収入が途切れません。空白期間もできないので、面接で理由を聞かれることもない。その代わり、面接の日程は平日の夜や有給休暇で作ることになり、応募できる数は月に数社が限度です。
辞めてから進める場合は、時間の自由がききます。平日昼の面接にすぐ応じられ、内定から入社までも短くできます。気を付けたいのはお金です。自己都合で辞めると、失業給付はすぐには出ません。
- 待期の7日間。 ハローワークで求職の申込みをしてから、失業の状態にある7日間は支給されません
- 給付制限の1か月。 正当な理由のない自己都合退職は、待期のあと原則1か月支給されません。2025年4月1日以降に辞めた人が対象で、それより前は原則2か月でした
- 3か月になる場合。 辞めた日からさかのぼって5年間に、自己都合退職で受給資格の決定を2回以上受けているときは3か月です
この期間は厚生労働省の給付制限の案内で確かめられます。また、失業給付を受けるには、原則として辞める前の2年間に雇用保険の加入期間が通算12か月以上必要です(ハローワークの基本手当の案内)。
ハローワークで手続きしてから最初の振り込みまで、早くても1か月半ほど収入のない期間ができます。生活費の3か月分ほど手元にない人には、在職中に進める方をすすめています。在職中の応募書類の書き方は在職中の履歴書の書き方にまとめました。
手順1:準備(職歴の棚卸しと希望の整理)
準備でやることは、これまでの仕事を書き出すことと、次の仕事に求める条件を決めることの2つです。時間をかけすぎず、1〜2週間で切り上げます。
- 職歴を年表にする。 会社名、在籍した年月、部署、担当した仕事を、古い順に書き出します。雇用保険の加入記録や源泉徴収票を見ると、年月の記憶違いを防げます
- やった仕事を数字で書く。 1日の件数、担当した店舗の数、後輩を何人教えたか。後で自己PRと職務経歴書にそのまま使います
- 辞めたい理由を1行にする。 面接で必ず聞かれます。不満を並べるより、次の職場で何をしたいかにつなげられる形にしておきます
- 条件に順番をつける。 年収、勤務地、勤務時間、休日、職種。全部はそろわないので、譲れないものを2つまで選びます
条件の順番は、応募する求人を絞るときにも、内定を受けるか迷ったときにも基準になります。ここを決めずに始めると、合わない求人にも応募してしまいます。
手順2:応募書類を作る
応募書類は、履歴書と職務経歴書の2つが基本です。パートや未経験の求人では履歴書だけのこともあります。違いと、両方いるかどうかは履歴書と職務経歴書の違いで確かめてください。
書類は欄ごとに迷いどころが違うので、欄別の記事を用意しています。
- 履歴書の書き方ガイド:全体の流れと欄ごとの書き方
- 履歴書の職歴の書き方:入社・退社の行、「現在に至る」と「以上」
- 職務経歴書の書き方ガイド:経歴の要約、職務内容、自己PR
- 転職の志望動機の書き方:同職種・異業種・年代別の例文
- 自己PRの書き方:強みの見つけ方と4文の型
- 退職理由の書き方:履歴書の1行と面接での言い方
- 職務経歴書で転職回数が多いときの書き方・空白期間の書き方
一度作った書類は、応募先ごとに志望動機だけを書き換えて使い回します。職歴や資格は何度書いても同じなので、データで作っておくと2社目からは志望動機を直すだけで済みます。
手順3:求人を探して応募する
求人の探し方は、主に3つの窓口があります。並行して使って構いません。
- ハローワーク。 地元の中小企業の求人が多く、窓口で応募書類の相談もできます。ハローワークインターネットサービスで家から求人を検索できます
- 求人サイト。 自分で探して応募します。件数が多く、夜でも応募できるので在職中の人に向いています
- 転職エージェント。 担当者が求人を紹介し、面接の日程調整や条件の交渉を代わりにします。求人の多くは経験者向けです
応募はWebフォームかメールで、書類はPDFで出すのが今の主流です。ファイル名やメール本文の例は履歴書のWeb応募の方法とメールでの送り方に、郵送を指定されたときは郵送のマナーに書いています。
応募数は、書類で落ちることを前提に決めます。1社ずつ結果を待つと、それだけで数か月かかります。在職中でも、面接の日程が重ならない範囲で2〜3社は同時に進めてください。
手順4:面接
書類が通ると、面接は1〜3回あります。中途採用では2回の会社が多く、1回目が現場の担当者、最後が役員か社長という形がよくあります。
在職中の人は、平日の日中を指定されたら、夕方以降やオンラインにできないか一度だけ聞いてみてください。断られたら有給休暇を使います。何度も日程を変えてもらうと、それだけで印象が落ちます。
面接でほぼ必ず聞かれるのは、転職の理由、志望動機、これまでの仕事の内容、入社できる時期です。最後の1つは在職中の人ほど答えに詰まります。「内定から1か月半ほどで入社できます」のように、退職の段で見積もった期間を具体的に言えるようにしておきます。
手順5:内定の返事と労働契約の確認
内定が出たら、返事の前に労働条件を書面で受け取ります。会社には、賃金や労働時間などの条件を書面で示す義務があります(労働基準法15条)。口頭の説明と書面が違うことは珍しくありません。
確かめるのは次の項目です。
- 給与の総額と内訳(基本給、手当、固定残業代の有無と時間)
- 勤務地、勤務時間、休日
- 試用期間の長さと、その間の条件
- 入社日
返事の期限は1週間前後のことが多いです。他社の結果を待ちたいときは、正直に「〇日まで待っていただけますか」と聞きます。承諾の返事をしてから、今の会社に退職を伝えます。順番を逆にすると、内定が出なかったときに戻れません。

手順6:退職の申し出と引き継ぎ
正社員のように期間の定めのない雇用なら、法律上は退職を申し出てから2週間で辞められます(民法627条1項)。会社の承諾は要りません。厚生労働省の「確かめよう労働条件」もこの点を説明しています。契約社員など期間の定めがある場合は別で、契約期間の途中で辞めるにはやむを得ない事由が必要です(民法628条)。
ただ、私は2週間前の申し出はすすめません。多くの会社は就業規則に「1か月前まで」などの期限を書いており、引き継ぎにもそのくらいかかります。円満に辞めるほうが、源泉徴収票などの書類も早く届きます。進め方は次の順番です。
- 就業規則で申し出の期限を確かめる。 有給休暇の残り日数も一緒に見ます
- 直属の上司に口頭で伝える。 同僚より先に。メールやチャットで済ませず、時間をもらって話します
- 退職日を決めて退職届を出す。 書式は会社の指定があればそれに従います。退職届の作り方も参考にしてください
- 引き継ぎの資料を作る。 担当業務、取引先、進行中の案件を一覧にします
- 有給休暇を消化する。 最終出社日と退職日を分け、残りの有給を退職日までに使います
退職日までに会社から受け取るもの、返すものもあります。
| 受け取るもの | 使い道 |
|---|---|
| 離職票(1・2) | 失業給付の手続き |
| 源泉徴収票 | 次の会社での年末調整 |
| 雇用保険被保険者証 | 次の会社に提出 |
| 年金手帳か基礎年金番号通知書 | 会社が預かっていれば返してもらう |
返すものは、社員証、名刺、制服、会社のパソコンなどの備品です。健康保険の資格確認書が手元にあれば、それも返します。離職票は退職後に郵送されることが多いので、次の会社にすぐ入る人は「不要です」と伝えてもかまいません。
手順7:入社と保険・年金の手続き
退職日の翌日に次の会社に入るなら、健康保険と厚生年金は新しい会社が手続きします。本人がやるのは、源泉徴収票と雇用保険被保険者証、基礎年金番号が分かる書類を出すことくらいです。
1日でも空く人は、自分で切り替えます。期限が短いので、退職日が決まったら先に調べておきます。
健康保険(3つから選ぶ)
- 任意継続。 辞めた会社の健康保険を最長2年続けます。辞める前に2か月以上加入していたことが条件で、資格を失った日から20日以内に申し込みます。会社が払っていた分も自分で払うので、保険料は在職中の約2倍になる人が多いです
- 国民健康保険。 住んでいる市区町村の窓口で入ります。退職の翌日から14日以内が目安です
- 家族の扶養に入る。 年収の見込みが130万円未満などの条件があります。手続きは家族の勤務先でします
どれが安いかは、前の給与と住んでいる自治体で変わります。任意継続の保険料は前の健康保険に、国民健康保険料は市区町村の窓口に聞けば、退職前でも金額を教えてもらえます。期限と条件は大阪労働局の健康保険の案内にまとまっています。
年金(第1号への切り替え)
会社を辞めると厚生年金から外れ、国民年金の第1号被保険者になります。住所地の市区町村役場で、退職日の翌日から14日以内に届け出ます。持ち物は基礎年金番号通知書かマイナンバーカードなどで、離職票など退職日が分かる書類を求められることもあります(日本年金機構の加入手続きの案内)。扶養していた配偶者がいる人は、配偶者の分の手続きも要ります。
失業給付(受ける人だけ)
離職票が届いたら、住所地のハローワークで求職の申込みをします。持ち物は離職票、マイナンバーカードなど、写真2枚、本人名義の通帳かキャッシュカードです。その後、初回の説明会に出て、原則4週間に1度の失業の認定を受けます(ハローワークの受給手続きの案内)。受給できる期間は原則、辞めた日の翌日から1年です。過ぎると、日数が残っていても受け取れません。
住民税は、給与天引きだった分を自分で払う形に変わります。退職した月によって、最後の給与から一括で引かれるか、後日市区町村から納付書が届くかに分かれます。

よくある質問
Q. 転職活動はどのくらいの期間がかかりますか?
A. 準備から入社まで3〜6か月が目安です。書類作りと応募は1か月ほどで済みますが、内定から入社までに、退職の申し出と引き継ぎで1〜2か月かかります。
Q. 転職は在職中と退職後のどちらがいいですか?
A. 生活費に余裕がなければ在職中です。自己都合で辞めると失業給付には待期7日と原則1か月の給付制限があり、最初の振り込みまで1か月半ほどかかります。履歴書メーカーの集計では、職歴を書いた人の25%が在職中でした。
Q. 退職は何日前に伝えればいいですか?
A. 期間の定めのない雇用なら、法律上は2週間前で辞められます(民法627条)。実際は就業規則の期限と引き継ぎを考えて、退職日の1〜2か月前に上司へ伝える人が多いです。
Q. 会社に転職活動のことを言うのは内定の後ですか?
A. 内定を承諾した後です。先に言うと、内定が出なかったときに居づらくなります。応募書類にも今の会社の連絡先は書きません。
Q. 退職から入社まで空く場合、健康保険はどうすればいいですか?
A. 任意継続(20日以内)、国民健康保険(14日以内)、家族の扶養のどれかに入ります。年金も市区町村で国民年金第1号への切り替えが必要です。1日でも空くなら手続きが要ります。
まとめ
転職の進め方は、準備、書類、応募、面接、内定、退職、入社の7段階です。前半の3段階は重ねて進められ、後半は会社の都合で時間が決まります。
順番で外せないのは、内定を承諾してから退職を伝えることです。その前に、在職中に進めるかどうかを決めます。自己都合で辞めた場合、失業給付が出るまでには待期7日と原則1か月の給付制限があります。辞めた後に1日でも空くなら、健康保険と年金の切り替えは14〜20日以内。期限のある手続きだけは、退職日が決まった時点で手帳に書いておいてください。
応募書類から始めるなら
- 履歴書を無料で作成する:職歴や資格を一度入れれば、職務経歴書・送付状も同じデータからPDFにできます
- 履歴書の書き方ガイド:欄ごとの書き方と見本
- 職務経歴書の書き方ガイド:在職中の応募で求められることが多い書類
- 退職届の作り方:スマホで作ってコンビニで印刷

