この記事で分かること
- 実際に書かれた職歴906件の傾向(退社と退職、退職理由、現在に至る)
- 入社・退社、正式名称、退職理由、「現在に至る」「以上」の基本の形
- アルバイト・派遣・契約社員、書ききれないとき、職歴なしの書き方
履歴書の職歴欄は、書く形がほぼ決まっています。それでも「退社と退職はどっちか」「アルバイトは入れるのか」「行数が足りない」。ここで手が止まる人は多い。
履歴書メーカーで2026年8〜10月に作られた履歴書のうち、職歴が書かれていたのは906件でした。その906件で、退社と退職のどちらが多いか、退職理由を書いている人の割合、「現在に至る」の年月を空けているかを数えました。実際の書かれ方を見たうえで、そのまま使える見本を載せています。

履歴書全体の書き方は履歴書の書き方ガイドにまとめています。この記事は職歴欄だけを扱います。
実際に書かれた履歴書の職歴906件で分かったこと
2026年8月から10月に履歴書メーカーで作られた履歴書1,176件のうち、職歴欄に1行以上書かれていたものは906件(77%)でした。残りの23%は職歴が空のままで、学生や職歴なしの人がここに入ります。個人が分からない形で、言葉の使われ方だけを数えました。

いちばん意外だったのは、「退社」と書く人が49%、「退職」は36%で、どちらかに決まっていないことです。退社だけを使う人が43%、退職だけが31%、1枚の中に両方を混ぜている人が6%いました。
どちらを使っても間違いではありません。ハローワークが公開している履歴書・職務経歴書の書き方のパンフレットにも「『入社』の対義語は『退社』ですが、『退職』を用いても差し支えありません」とあります。1枚の中で揃えることだけ守れば十分です。
退職理由はどうか。退社か退職の行がある717件のうち、理由を書いていない人が69%でした。「一身上の都合」が27%、「契約期間満了」が9%、「会社都合」が4%。理由なしで出す人が多数派ですが、私は書く方を勧めます。空欄だと採用側は面接で必ず聞くので、先に1行で答えておいた方が楽です。
在職中の「現在に至る」を書いた人は20%。その行の年月を空欄にしていた人が58%、直前の入社と同じ年月などを入れていた人が42%でした。年月は空けるのが正しい形です。
行数は中央値で5行。11行以上の人が14%いて、この層が「書ききれない」と悩みます。会社名を「株式会社」と正式に書いた人は73%、「(株)」と略した人は2%でした。「株式会社○○」のように会社名を仮のまま残していた人は0件。記入途中で出してしまう心配は要らないようです。
「以上」を自分で入力した人は1%です。履歴書メーカーはPDFにするときに「以上」を右寄せにして自動で付けるので、入力しなくていい文字を入れなかっただけ。手書きや他の様式では自分で書きます。
履歴書の職歴の基本の書き方
順番は古い順。1社につき「入社」と「退社」の2行が基本です。ハローワークの応募書類の作り方(履歴書)も、この形を記載例の最初に置いています。
2019年4月 株式会社○○フーズ 入社
2023年3月 一身上の都合により退職
2023年5月 株式会社△△物流 入社
現在に至る
以上
学歴の最後の行の下に「職歴」と中央に書き、その下から始めます。年は学歴と同じ表記(西暦なら西暦)で揃えます。
会社名の書き方(正式名称)
「(株)」「㈱」は使いません。株式会社が社名の前か後かも登記のとおりに書きます。分からなければ会社の公式サイトの会社概要で確認します。社名が変わった会社は「株式会社○○(現 株式会社△△)入社」と現在の社名を添えます。
勤め先が会社以外のときは、言葉を変えます。病院・学校・官公庁は「入職」または「勤務」と「退職」。自営業なら「開業」と「廃業」です。
「入職」の行は今回の906件に240行あり、医療・介護の人がよく使っていました。会社に勤めた分は「入社」「退社」、それ以外は「入職」「退職」と分けて書くと、使い分けを知っている読み手に伝わります。
退職理由の書き方
| 辞め方 | 書き方 |
|---|---|
| 自分の意思で辞めた | 一身上の都合により退職 |
| 契約期間が終わった | 契約期間満了により退職 |
| 倒産・解雇・退職勧奨 | 会社都合により退職 |
| 定年 | 定年により退職 |
| 出産・介護・帰郷 | 出産のため退職 など |
結婚・出産・介護・帰郷のように後ろ向きに取られない理由は、そのまま書いて構いません。ハローワークのパンフレットも「出産のため退職」「帰郷のため退職」を例に挙げています。人間関係や待遇が理由のとき。これは「一身上の都合」で十分です。面接で聞かれたときの答え方は退職理由の書き方にまとめています。
会社都合を一身上の都合と書き換える人がいますが、逆です。会社都合は隠さず書きます。 雇用保険の手続きで分かるうえ、本人の落ち度ではないからです。
在職中は「現在に至る」、最後に「以上」
今も勤めている会社は、入社の行の下に「現在に至る」と書きます。年月は空欄です。退職日が決まっていれば「現在に至る(2026年12月末 退職予定)」。職歴の一番下の行に右寄せで「以上」を書いて締めます。行が足りなければ、「現在に至る」と「以上」を同じ行に書いても問題ありません。
「以上」は学歴と職歴を合わせた最後に1回だけ。学歴の後には書きません。
部署や仕事の中身を添える場合
欄に余裕があれば、入社の下に1行で部署と担当を添えると読み手に伝わります。906件のうち23%の人が「配属」「担当」「として」の語で書き足していました。
2019年4月 株式会社○○フーズ 入社
営業部に配属。法人向けの食品卸営業を担当
2023年3月 一身上の都合により退職
書くのは1社につき1行まで。実績や数字は職務経歴書に回します。役割の分け方は履歴書と職務経歴書の違いを見てください。
アルバイト・派遣・契約社員の職歴の書き方

正社員でなかった会社は、その雇用形態を入社の行に添えます。正社員だったと誤解されると、入社後に経歴の問題になります。
アルバイト・パート
2021年6月 株式会社○○ △△店 入社(アルバイト)
2024年3月 一身上の都合により退職
学生時代のアルバイトは通常書きません。卒業後のアルバイトや、応募先の仕事につながる経験なら、アルバイトと明記したうえで書きます。「アルバイト」と明記した人は16%、「パート」は7%でした。
フリーターから正社員に応募する人は、この書き方で職歴欄を埋めれば「職歴なし」にはなりません。短期のアルバイトが何件もあるときは、後述の「書ききれないとき」の形でまとめます。アルバイト用に欄が広い様式はアルバイト・パート用の履歴書テンプレートにあります。
派遣社員
派遣元(登録した会社)と派遣先(働いた会社)を分けます。
2022年4月 株式会社○○スタッフ 派遣登録
株式会社△△ 経理部に派遣。伝票処理を担当(2024年3月まで)
2024年3月 派遣期間満了により退職
派遣先が3社以上あるときは、派遣登録の行の下に派遣先を1行ずつ並べ、最後に「派遣期間満了により退職」で締めます。派遣に触れた人は9%でした。
契約社員
2020年10月 株式会社○○ 入社(契約社員)
2023年9月 契約期間満了により退職
契約の途中で辞めたときは「一身上の都合により退職」。契約社員から正社員になったときは「2022年4月 正社員に登用」と1行足します。
職歴が多くて書ききれないときの書き方

11行以上書いた人は、906件のうち14%いました。市販の履歴書やハローワークの厚生労働省履歴書様式例(A4)は学歴・職歴欄が十数行しかなく、転職が4回を超えると足りません。対処は次の順で考えます。
- 学歴を減らす。 中学卒業を外し、高校入学からにします。学歴の年月は入学・卒業年の早見表で確認できます。
- 1社を1行にまとめる。 「2018年4月 株式会社○○ 入社(2020年3月 一身上の都合により退職)」の形です。集計でこの形を使った人は1%と少数ですが、正式な書き方として通ります。
- 同じ種類のアルバイトをまとめる。 「2019年4月〜2021年3月 飲食店3店でアルバイト」のように1行にします。
- 欄の広い様式に変える。 履歴書メーカーなら職歴欄の行数が多いテンプレートを選べます。手書きかパソコンかで迷っているなら、行数の融通が利くのはパソコンです。
職歴を省くのは最後の手段です。短期の在籍を消すと、入社後の社会保険の手続きで分かり、経歴詐称と取られます。省くなら「他に3社の職歴あり。詳細は職務経歴書に記載」と1行入れ、職務経歴書に全部書きます。
職歴なし・空白期間があるときの書き方
職歴がない人は、学歴の下に「職歴」の見出しを書き、その下に「なし」と書いて「以上」で締めます。欄を白紙のまま出すと、書き忘れに見えます。
職歴
なし
以上
半年以上の空白期間は、退職の行の下に1行添えると面接で聞かれる回数が減ります。「2024年4月〜2025年3月 病気療養のため離職(現在は完治)」「2023年4月〜 資格取得のため学習」のように、事実と今の状態を1行で書きます。理由を作る必要はありません。
履歴書メーカーで職歴を入れたPDFの見本
履歴書メーカーの「学歴・職歴」の画面に職歴の欄があります。年・月・本文の3つを1行ずつ入れ、「+ 行を追加」で行を足します。

在職中の「現在に至る」は、年と月を空欄のままにして本文だけ入れます。

PDFにしたときの職歴欄が、下の画像です。年と月が空の行は本文だけが出るので、部署の行や「現在に至る」がきれいに並びます。「以上」は自動で右寄せに入るので、自分で入力すると二重になります。

年の欄は数字でも「令和元」のような文字でも入ります。学歴を西暦で書いたなら職歴も西暦に。学歴の欄で迷う人は、履歴書の書き方ガイドの学歴の項目に戻ってください。
職歴欄でよくあるミス
- 退社と退職が1枚の中で混ざる。 集計で6%の人がそうでした。どちらかに揃えます
- 「現在に至る」に年月を入れる。 書いた人の42%が入れていました。年月は空欄です
- 「以上」を学歴の後にも書く。 最後に1回だけ。履歴書メーカーでは入力しません
- (株)と略す。 2%の人が略していました。正式名称で
- アルバイトを正社員のように書く。 「入社(アルバイト)」と添えます
- 西暦と和暦が混ざる。 学歴と職歴で揃えます
- 短期の職歴を消す。 後で分かります。1行にまとめて残します
- 退職理由に不満を書く。 「上司と合わず退職」は書かない。「一身上の都合」で
よくある質問
Q. 履歴書の職歴は「退社」と「退職」どちらを書けばいいですか?
A. どちらでも通ります。906件の集計では退社が49%、退職は36%で、ハローワークの履歴書パンフレットも「退職」を用いて差し支えないとしています。1枚の中で揃えること、病院や官公庁など会社以外の勤め先は「退職」にすることだけ守ってください。
Q. 履歴書の職歴に「一身上の都合により退職」は必ず書きますか?
A. 書かなくても落ちはしませんが、書く方を勧めます。7割の人は理由なしで出していました。理由がないと面接で必ず聞かれるので、「一身上の都合により退職」の1行で先に答えておく方が楽です。
Q. 履歴書の職歴にアルバイトは書きますか?
A. 学生時代のアルバイトは書きません。卒業後のアルバイトや、応募先の仕事に関係する経験は「株式会社○○ 入社(アルバイト)」と形態を添えて書きます。正社員の職歴がない人は、アルバイトを書くことで職歴欄が埋まります。
Q. 履歴書の職歴が書ききれないときはどうしますか?
A. 学歴を高校入学からに減らし、1社を1行にまとめ、同じ種類のアルバイトは1行に束ねます。それでも足りなければ欄の広い様式に変えます。職歴を消すのは経歴詐称と取られるので、省いた分は職務経歴書に全部書きます。
Q. 履歴書の職歴で「現在に至る」の年月はどうしますか?
A. 空欄にします。入社の行に年月があるので、「現在に至る」の行は本文だけで十分です。書いた人の42%が年月を入れていましたが、正しい形は空欄です。退職日が決まっていれば「現在に至る(2026年12月末 退職予定)」と添えます。
まとめ
履歴書の職歴は、古い順に、1社につき入社と退社を1行ずつ。会社名は正式名称で、退職理由は「一身上の都合により退職」などの定型、在職中は年月を空けて「現在に至る」、最後に右寄せで「以上」。職歴欄の形は、これで整います。
実際に書かれた906件を見ると、退社と退職は半々に近く、退職理由を書かない人が7割でした。退社か退職かは、1枚の中で揃えておけば足ります。迷ったら、この記事の見本をそのまま自分の会社名と年月に置き換えてください。
職歴を入れたら、そのままPDFに
- 履歴書を無料で作成する:年・月・本文を1行ずつ。「以上」は自動で入ります
- 履歴書の書き方ガイド:学歴・免許・志望動機など、職歴以外の欄

