この記事で分かること
- 実際に書かれた未経験の志望動機134件の傾向
- 前の仕事の場面から組み立てる書き方と、前職別の言い換え
- 第二新卒・30代・40代・パートと、事務・販売・介護・製造・ITの例文9本
未経験の仕事に応募するとき、志望動機の欄で手が止まる。経験がないのだから、書ける材料もない気がする。そんな相談を毎週のように受けます。
履歴書メーカーで書かれた志望動機から、「未経験」「初めて」「経験がありません」と書いてある134件を抜き出して数えました。多くの人が書く言葉と、採用側が見ているのに書かれていない点を押さえたうえで、第二新卒・30代・40代・パートと5職種の例文を載せています。

職種ごとの基本の例文は、志望動機の例文集【職種別12種】にあります。
実際に書かれた未経験の志望動機134件で分かったこと
2026年8月から10月に履歴書メーカーで作られた履歴書946件のうち、志望動機に「未経験」「初めて」「経験はありません」のどれかが入っていたものは134件、7件に1件でした。個人が分からない形で、文字数と言葉を数えています。

まず目についたのは、「学ぶ」「勉強」と書いた人が62%いたことです。未経験なので学ぶ姿勢を示す。それ自体は正しい。ただ、多くは「一から学ぶ覚悟です」「早く覚えられるよう努めます」で止まっていました。学ぶ姿勢は、もう始めたことを書いて初めて伝わります。
逆に、年数や件数などの数字を入れた人は24%でした。「3年間」「1日100人」のような数字が1つあるだけで、前職の経験が具体的になります。4人に3人は数字なしです。
「興味」と書いた人は32%で、志望動機全体の16%の2倍。「頑張ります」も10%で、全体の3%の3倍でした。経験がない分を気持ちで埋めようとして、誰にでも書ける言葉になっています。
文字数は中央値が196字。150字に届かない人が28%、300字を超える人が22%いました。150字では志望動機欄の3分の1も埋まらず、300字を超えると自己PRが入りません。200〜250字が目安です。
書いた人の年齢は、20代 49%、10代 16%、30代 24%、40代以上 12%。30代以上は3人に1人です。年齢が上がるほど「なぜ今、未経験の仕事か」を聞かれるので、立場別の例文には30代と40代も入れました。
前の仕事の場面から組み立てる未経験の志望動機

未経験の志望動機は、前の仕事で「やりたい」と思った場面から入り、次の順に1〜2文ずつ足していきます。
- なぜ未経験でこの仕事か。前の仕事や日常で、その仕事を「やりたい」と思った場面を1つ書きます。「興味があった」では足りません。いつ、何があったかを書きます。
- なぜこの会社か。未経験者の研修、資格の支援、扱う商品、勤務時間など、求人票から1つ拾います。
- 前の仕事の何が使えるか。前職の経験を、応募先の仕事で使う力に言い換えます。数字を1つ添えます。
- もう何を始めているか。資格の勉強、見学、独学など、応募前に手をつけたことを書きます。何もなければ、入社後に最初に覚えたいことを書きます。
「なぜ未経験でこの仕事か」で迷う人には、前の仕事で応募先の仕事に近いことをした瞬間を探してもらいます。レジで高齢のお客様を車まで送った、売上の報告表を自分で作った、といった場面です。
「なぜこの会社か」は、未経験だと求人票の職種名だけでは仕事の中身をつかみにくいこともあります。厚生労働省の職業情報サイト「job tag」で職業名を検索すると、仕事内容と求められる力が読めます。応募先の職種を一度読んでおくと、「前の仕事の何が使えるか」も書きやすくなります。
飲食店・コンビニ・工場などの前職を、未経験の職種でも通じる言葉に直すと下の表のようになります。
| 前職 | 未経験の職種で使える言い方 |
|---|---|
| 飲食店のホール | 混んだ時間に優先順位をつけ、注文を間違えずに通した |
| コンビニ・スーパー | 発注と在庫を数字で見て、欠品と廃棄を減らした |
| 事務 | 期限と正確さが求められる処理を毎日続けた |
| 営業 | 相手の困りごとを聞き出し、提案にまとめた |
| 工場・製造 | 手順を守り、不良を出さずに作業を続けた |
| コールセンター | 怒っている相手の話を受け止め、解決まで対応した |
| 子育てのブランク | 限られた時間で段取りを組み、毎日回した |
「給料が下がっても構いません」「どんな仕事でもやります」は、書かないほうがいいです。条件を下げてまで来る人に見えて、長く続くかを疑われます。勤務時間や通勤の希望は、本人希望記入欄に書く手もあります。
「未経験転職向け」の書き出しからPDFまでの見本
履歴書メーカーの志望動機欄の上に並ぶボタンのうち、「未経験転職向け」を押すと、学ぶ姿勢と、分からないことは確認して進める姿勢を書いた短い文が入ります。その前に「なぜこの仕事か」、そのあとに前職の経験と数字を足すと、未経験の型になります。

アパレル販売員から営業事務へ応募する職種別1本目(約300字)を入れてPDFにし、志望動機欄の左側を拡大したのが下の画像です。5行で欄の半分が埋まります。自己PRと同じ欄なので、残りは自己PRの2〜3文で足ります。

第二新卒・30代・40代・ブランクありの例文
「月120件」「9年」「18年」は例文の人の数字です。自分の前職の年数と件数に入れ替えてください。
第二新卒(新卒で携帯ショップの販売1年半 → 人材会社の採用アシスタント)
新卒で携帯ショップに入り、1年半、販売と契約手続きを担当してきました。月120件の契約書類を期限内に処理するうちに、人と話すことより、書類と予定を正確に整える仕事のほうが自分に向いていると気づきました。貴社の採用アシスタントは、応募者との日程調整と書類の管理が中心だと求人票で知り、販売で覚えた電話とメールの対応が使えると感じて志望しました。1年半で辞めることについては、次を決めてから退職し、同じことを繰り返さないと決めています。まずは面接の日程調整から覚え、採用担当の方の手間を減らしたいです。
ポイント:第二新卒で必ず聞かれる「なぜ1年半で辞めるのか」に、志望動機の中で先に答えました。前職で向いていると気づいたことが、そのまま応募先の仕事につながっています。
30代・未経験(建設作業員9年 → 住宅設備メーカーの営業)
住宅の基礎工事の会社で9年間、現場作業と職長を担当してきました。職長になってからは施主の方への工程の説明も任され、専門用語を使わずに伝えると安心していただけることに手応えを感じ、説明と提案を仕事の中心にしたいと考えました。貴社の給湯器や水回り設備は、現場で毎日見てきたものです。施工の手順を知ったうえで提案できる営業は、工務店の方にも話が通じやすいはずです。営業は未経験ですが、32歳で体力はあり、朝の早い現場にも慣れています。入社後は商品知識を3か月で覚え、担当エリアの工務店を1社ずつ回ります。
ポイント:経験は「9年」、年齢は「32歳」、商品を覚える期限は「3か月」と数字で書きました。30代の未経験で見られる「今までの経験が無駄にならないか」に、扱う商品と現場経験の接点で答えました。
40代・未経験(工場の製造18年 → ビルの設備管理)
自動車部品の工場で18年間、プレス機の操作と日常点検を担当してきました。直近5年は設備の保全係も兼ね、油圧と電気系統の簡単な修理まで自分で行っています。工場の閉鎖が決まり、点検と修理の経験を活かせる仕事を探す中でビルの設備管理を知りました。貴社は未経験者に第二種電気工事士の受験費用を支援し、40代の入社者も多いと求人票にあり、応募しました。18年間、点検表のチェック漏れによる停止は一度もありません。この習慣はビルの日常点検でそのまま使えます。まずは巡回点検から。1年以内に電気工事士を取ります。
ポイント:40代の未経験は「教えたことを覚えられるか」「若い社員と働けるか」が気にされます。18年の点検経験と資格の計画が、その答えです。退職の理由は「工場の閉鎖」と事実だけ。不満は書きません。辞めた理由の伝え方は退職理由の書き方にあります。
パート・ブランクあり(元アパレル販売、子育てで6年離職 → 調剤薬局の受付事務)
出産前は洋服店で7年間、販売と売上管理を担当していました。子育てで6年間仕事を離れ、下の子が小学校に入ったので、平日9時から15時で働ける仕事を探しています。子どもの通院で貴薬局に通ううちに、受付の方が処方箋の内容を落ち着いて説明してくださる姿を見て、自分も同じように地域の方の役に立ちたいと思いました。医療事務は未経験ですが、販売で7年間、レジの締めを1円の差もなく続けてきました。数字を確かめながら進める作業は得意です。今は医療事務の通信講座を受けています。週4日、学校行事の日以外は休まず通います。
ポイント:この例文の順番は、働ける時間→きっかけ→使える経験→勉強中のこと→休まず通える、です。パートで最初に見られる勤務条件を先に書きました。パートの志望動機はパートの志望動機の書き方に別の例文があります。
事務・販売・介護・製造・ITの未経験の例文

事務(アパレル販売5年 → 商社の営業事務)
アパレル店で5年間、販売と在庫管理を担当してきました。3年目から本部への売上報告と発注を任され、数字を合わせて店を支える仕事に手応えを感じるようになり、事務職を本業にしたいと考えるようになりました。貴社の営業事務は受発注から納期の調整まで営業と一緒に動くと求人票で知り、店で身につけたお客様とのやりとりも使える場だと感じて志望しました。発注ミスを防ぐ確認表を自分で作り、欠品を月5件から1件に減らしたことがあります。事務は未経験ですが、この確認の習慣はそのまま持ち込めます。今はMOSのExcelを勉強中です。入社後は処理の正確さと速さを身につけ、営業の方が提案に集中できるように支えたいです。
ポイント:販売の仕事の中にあった事務の要素(売上報告・発注・確認表)だけを取り出しました。「月5件から1件」の数字が、事務に向いている根拠です。
販売(市役所の窓口3年 → 家電量販店)
市役所で3年間、非常勤職員として住民窓口を担当しました。1日100人ほどの来庁者に制度を説明し、「分かりやすかった」と言われることが一番の励みでした。説明する仕事を続けながら、自分の提案が数字で返ってくる仕事に挑戦したいと考え、販売職を志望しています。貴社は未経験者に商品研修を3週間行い、接客の丁寧さを評価に入れていると採用ページで知りました。専門用語を使わずに説明してきた経験は、年配のお客様に家電の機能を伝える場面で使えます。今は家電製品アドバイザーの試験に向けて勉強中です。担当売場の商品は1か月で覚えます。
ポイント:窓口の「説明する」経験を、販売の「伝える」に言い換えました。販売の志望動機は販売の志望動機の書き方にもアパレル・食品・ドラッグストアの例文があります。
介護(スーパーのレジ6年 → 特別養護老人ホーム)
スーパーで6年間、レジと品出しを担当してきました。高齢のお客様が多い店で、買い物袋を車まで運んだり、商品の場所をゆっくり案内したりするうちに、「ありがとう」と言われる時間が一番うれしいと気づきました。もっと生活に近いところで高齢の方を支えたいと考え、介護職を志望します。貴施設は未経験者に介護職員初任者研修の受講費を支援していると求人票で知りました。6年間、混んだ時間でも1人ずつ落ち着いて対応してきました。立ち仕事なので体力に不安はありません。初任者研修はすでに申し込み済みです。将来は介護福祉士を目指します。
ポイント:きっかけを「高齢のお客様に案内した場面」という1つの出来事で書きました。介護の志望動機は介護の志望動機の書き方に、施設の種類別の例文があります。
製造(コンビニの店長5年 → 食品工場)
コンビニで5年間働き、直近2年は店長として発注・衛生管理・スタッフ8人の教育を担当しました。消費期限のチェックと陳列の衛生ルールを毎日守るうちに、安全な食品を作る側に回りたいと思うようになり、食品製造を志望しています。貴社は学校給食向けの製品を作り、未経験者にも衛生管理の研修があると会社説明で伺いました。店では毎日の衛生チェックを欠かさず、本部の監査で2年続けて最高評価でした。手順を守って作業する習慣は、製造ラインでも同じです。担当工程を覚えたあとは、食品衛生責任者の資格も取りたいと考えています。
ポイント:コンビニ店長の「消費期限と衛生」を、食品工場が気にする「手順と品質」につなげました。工場の志望動機は工場の志望動機の書き方に検査・フォークリフトの例文もあります。
IT(ホテルのフロント3年 → Web開発会社)
ビジネスホテルで3年間、フロントを担当してきました。予約システムが使いづらく現場でミスが続いたため、予約状況を一覧にするExcelのマクロを自分で作ったところ、同僚の確認作業が1日30分減りました。この経験から、仕組みを作る側に回りたいと考えるようになりました。その後は独学でHTMLとJavaScriptを学び、今は宿泊予約フォームを個人で作っています。貴社は未経験者に3か月の研修があり、宿泊業向けのサービスを多く手がけていると採用ページで知り、志望しました。研修で基礎を固め、1年以内に小さな案件を任される力をつけます。
ポイント:ITの未経験で必ず見られる「もう手を動かしているか」に、マクロと個人制作で答えました。「1日30分減った」という数字が、作ったものの効果の証拠です。
勉強中の資格と免許・資格欄
未経験の応募では、勉強中の資格も書く材料になります。免許・資格欄に「〇〇 取得に向けて学習中」と書いて構いません。志望動機で「勉強中です」と書き、資格欄にも同じ資格が並ぶと、準備していることが2か所で伝わります。
履歴書メーカーなら、学歴・職歴の画面の下にある免許・資格欄で「行を追加」を押し、学習中のMOSも運転免許と同じく1行で入れます。

運転免許と「MOS Excel 365 取得に向けて学習中」を入れたPDFの免許・資格欄が、下の画像です。

学習中の行の年月は、勉強を始めた月か受験予定の月です。受験日が決まっているなら「2026年12月受験予定」と添えます。正式名称と書き方の決まりは履歴書の資格欄の書き方にあります。
これから勉強を始める人は、公的な職業訓練と給付金も使えます。ハロートレーニングは、離職中の人が事務・介護・ITなどの訓練を受けられる制度で、申し込み先はハローワークです。働きながら講座を受けるなら、厚生労働省の教育訓練給付金で受講費の一部が戻ります。給付率と対象講座は制度ごとに違います。ページで確かめてから申し込んでください。
未経験の志望動機で損をする書き方
- 「未経験ですが、一から学ぶ覚悟です」だけで終わる。134件の6割が書いている文です。何を学び始めたかを1つ足します
- 「興味があったので」。いつ何があって興味を持ったかを書かないと、誰でも書ける文になります
- 「前の仕事が合わなかったので」。不満が理由に見えます。前の仕事で見つけた「やりたいこと」の形に変えます
- 「給料が下がっても構いません」「どんな仕事でもやります」。条件を下げてまで来る人に見え、続くかを疑われます
- 前職の説明で終わる。前職の話は3分の1まで
- 例文をそのまま使う。未経験歓迎の求人には応募が集まり、同じ例文を写した人と並んで読まれます。会社名と数字は自分のものに
よくある質問
Q. 未経験歓迎の求人なら、志望動機は短くてもいいですか?
A. 短くて構いませんが、「なぜこの仕事か」と「前の仕事の何が使えるか」の2つは外せません。未経験歓迎の求人には同じ条件の応募者が集まります。この2つは、短い志望動機でも削りません。
Q. 30代・40代の未経験は不利ですか?
A. 年齢そのものより、「なぜ今、未経験の仕事なのか」と「今までの経験が何に使えるか」を聞かれます。前職の年数と数字を入れて、応募先との接点を1つ書けば、年齢は説明できます。
Q. 志望動機と自己PRは分けたほうがいいですか?
A. 履歴書メーカーの志望動機欄は自己PRと共用です。志望動機を200〜250字、自己PRを2〜3文で分けて書くと、欄がちょうど埋まります。前職の経験の詳しい中身は職務経歴書に書くと履歴書とすみ分けできます。
Q. 離職してから期間が空いています。志望動機で触れるべきですか?
A. 勉強や訓練をしていたなら1文で触れます。それ以外の理由なら志望動機には書かず、職歴欄と面接で説明します。空白期間の書き方は職務経歴書の空白期間の書き方で説明しました。
まとめ
未経験の志望動機は、なぜこの仕事か、なぜこの会社か、前の仕事の何が使えるか、もう何を始めているか、の4つを、1〜2文ずつ順につないで書きます。
実際に書かれた134件では、「学ぶ姿勢」は6割の人が書いていました。数字を入れた人は4分の1、勉強中の資格に触れた人は13%です。前職の数字を1つと、もう始めたことを1つ入れてください。
例文を選んだら、そのまま履歴書に
- 履歴書を無料で作成する:志望動機欄に貼り付けて、会社名と経験を差し替えるだけ
- 志望動機の例文集【職種別12種】:職種ごとの基本の例文

