この記事で分かること
- 職務経歴書の中での自己PR欄の位置と、職務要約・職務経歴との分担
- 履歴書の自己PRと同じ文でいいのか、どこを変えるのか
- 職務経歴の実績欄から数字を1つ運んで、自己PRの根拠にする書き方
- 営業・介護・職種チェンジなど状況別の例文4本と、職務経歴書254件の集計
職務経歴書は、職務要約、職務経歴、スキル、資格と上から埋めていくと、最後に自己PRの欄が残ります。履歴書の自己PRを書いたばかりなら、同じ文を貼ればいいのか、何かを足すべきなのかで手が止まりやすい欄です。

下で使う数字は、2026年8月1日から10月23日までに履歴書メーカーで作られた職務経歴書のうち、職歴を1社以上入力した254件から取りました。自己PR欄を、個人が分からない形で数えています。職務経歴書全体の書き方は職務経歴書の書き方にまとめています。
職務経歴書の中での自己PR欄の位置
履歴書メーカーで職務経歴書をPDFにすると、欄は上から職務要約、職務経歴、活かせる経験・知識・スキル、資格、自己PRの順に並びます。自己PRは1枚目のいちばん下、採用担当者が最後に読む欄です。

最後に読まれる欄なので、読み手はもう職務経歴を読み終えたところです。何をしてきた人かは分かっている状態です。そこへ職歴の説明を繰り返しても、読み手には新しい情報がありません。各欄の受け持ちは次のとおりです。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 職務要約 | 経験年数・職種・担当範囲を3〜5行で |
| 職務経歴 | 会社ごとの業務内容と実績の数字 |
| スキル・資格 | 使える道具と資格の名前 |
| 自己PR | 強み1つと、その根拠になった出来事 |
職務経歴は「何をしたか」の記録で、自己PRは「なぜそれができたか」の説明です。実績欄に「残業を月20時間から8時間に削減」とあれば、自己PRにはその数字を出すために自分がどう動いたかを書きます。
職務要約と自己PRで同じことを書いてしまう心配は、ほとんどいりません。職務要約と自己PRの両方を自分で書いていた192件で文面の重なりを調べると、3割以上が同じ言い回しだったのは2件でした。要約の書き方は職務要約の例文にあります。
履歴書の自己PRとの書き分け
かぶりやすいのは、むしろ履歴書の自己PRのほうです。同じ人が履歴書と職務経歴書の両方を作っていたケースが132人分ありました。このうち7人は2つの自己PRが一字一句同じで、ほかに11人が文の半分以上を同じ言い回しで書いていました。
長さには差がありました。同じ132人の中央値は、履歴書の自己PRが186字、職務経歴書の自己PRが235字でした。職務経歴書のほうが50字ほど長く、書く場所が広いぶん出来事の説明を足している人が多いと読めます。

職務経歴書の自己PRは、出来事を1つ書くなら200〜300字に収まります。2つ3つ並べる人は400〜600字まで使ってかまいません。書き分けるときは、強みの言葉は同じでかまいません。変えるのは次の2点です。
- 根拠の細かさ。 履歴書では結果だけを書き、職務経歴書では「何が問題で、何を変えて、どうなったか」まで書きます。
- 応募先での使い方。 履歴書は人柄や働き方で締めてもいい欄です。職務経歴書は、入社して最初に手を付ける仕事の名前で締めます。
同じ営業事務の人が、同じ強みで書いた2本です。まず履歴書の自己PR欄に入れる短いほうです。
締め切りから逆算して、段取りを組むのが得意です。営業事務として6年、受発注と請求を担当してきました。月末に集中していた請求の作業を受注した週に前倒しし、月末の残業を20時間から8時間に減らしています。貴社でも期日のある仕事を早めに片づけ、営業の方が動きやすい状態をつくります。
次に、職務経歴書の自己PR欄に入れる長いほうです。
締め切りから逆算して、段取りを組むことが得意です。いまの会社では営業担当8名の事務を1人で受け持ち、毎月約300件の請求書を出しています。以前は月末の3日間に作業が集まり、確認が追いつかずに差し戻しが月5件ほど出ていました。そこで受注した週のうちに請求データを作る流れに変え、営業担当にも確認用のチェック表を渡しました。項目は5つだけです。いまは月末の残業が20時間から8時間に減り、差し戻しは月1件以下です。貴社の営業事務でも、繁忙期に仕事が集まらない段取りから整えます。
ポイント:長いほうには「月末の3日間に集中」「チェック表は5項目」という、職務経歴の実績欄には書いていない中身を足しました。
履歴書の自己PRの組み立て方は自己PRの書き方、2つの書類の役割は履歴書と職務経歴書の違いで説明しています。
職務経歴の実績欄から数字を運ぶ

集計でいちばん差が出たのは数字です。自分で書いた自己PR203件のうち、%・件・円・時間・人などの単位つきの数字が入っていたのは17件、8%でした。
目を引いたのは、数字を持っていないわけではなかった点です。職務経歴の業務内容か実績の欄に単位つきの数字を書いていた人が39人いて、そのうち22人は自己PRに数字を1つも書いていません。下に数字があるのに、最後の欄で「経験を活かして」と言葉だけに戻っています。
実績欄から自己PRへ数字を運ぶ手順は、次の4つです。
- 職務経歴の実績欄から、応募先の仕事に近い数字を1つ選ぶ。
- その数字が出る前、何が困っていたかを1文で書く。
- 自分が変えたことを、手順や道具の名前で書く。
- 選んだ数字を、実績欄と同じ値で書く。
下の2枚は、ここまでの営業事務の人のPDFから、実績欄と自己PR欄を拡大したものです(スマホで読めるように行を折り返しています)。実績欄の「20時間から8時間」「月5件前後から1件以下」を、自己PRでも同じ値で使っています。


数字を入れる前と後の違いは、製造の検査担当の文で比べると分かりやすいです。まず、数字が入る前の文です。
私の強みは責任感です。前職では製造ラインで検査を担当し、品質の向上に努めてきました。これまでの経験を活かし、貴社に貢献したいと考えております。
同じ人が、実績欄の数字を運んで書き直した文です。
食品工場で4年間、出荷前の外観検査を担当しました。見逃しが月に数件出ていたため、不良品の写真見本を検査台の横に貼り、休憩明けの10分だけ2人で確認する手順を班長に提案しています。始めてから半年で、出荷後のクレームは月4件から1件に減りました。検査の手順を自分で作り直せることが、私の強みです。貴社の検査工程でも、見落としの出やすい時間帯から手を入れます。
ポイント:「責任感」という言葉を使わずに、休憩明けの10分という具体的な手順で同じことを伝える書き方です。
数字が出にくい仕事での数え方
売上のない仕事でも、数えられるものはあります。
- 事務。 1日や1か月に処理した件数、締めにかかる日数、ミスや差し戻しの件数。
- 介護・看護。 受け持った利用者の人数、夜勤の回数、申し送りにかかる時間。
- 製造・物流。 担当したライン数、不良の件数、段取り替えや出荷にかかる時間。
- 販売・接客。 1日の接客数、担当した売場の広さ、教えた後輩の人数。
どれも見つからなければ、期間(何年続けたか)、人数(何人に教えたか)、頻度(毎朝、毎週)のどれかで書きます。「5年間、毎朝の朝礼で前日のミスを共有した」は、それだけで数字が2つ入った文です。
書き出しの「私の強みは」と、よく使われる言葉
自分で書いた203件のうち、31%が「私の強みは」で書き始めていました。次に多い書き出しは「これまで」の20%。この2つで半分を占めます。

言葉で多かったのは「活かす」74%、「経験」73%、「貢献」37%でした。「経験を活かす」という言い回しそのものが35%の自己PRに入っていて、ここで差はつきません。
「私の強みは」で始めること自体は問題ありません。ほかの応募者と並んだときに、書き出しが同じだと1行目で区別がつかなくなります。職務経歴書なら、次の入り方もできます。
- 場面から入る。「月末の3日間に、請求の作業が集まっていました。」
- 数字から入る。「1日に受ける電話は平均40件です。」
- 担当から入る。「食品工場で4年間、出荷前の外観検査を担当しました。」
締めの「貢献したい」も、入社後に最初にやる仕事の名前に置き換えます。「繁忙期に仕事が集まらない段取りから整えます」のように、動詞で終えると読み手が働く姿を思い浮かべられます。強みの言葉が見つからないときは、ハローワークの職務経歴書の作り方の巻末にある強みのキーワード一覧から選べます。
状況別の自己PR例文(職務経歴書用)
ここまでの書き方で、状況の違う4本を書きました。会社名と数字は、自分の職務経歴書の実績欄にあるものに差し替えてください。
法人営業7年(実績の数字がそろっている)
新規の法人顧客を、紹介に頼らずに開拓できることが強みです。オフィス用品の法人営業として7年間、中小企業を中心に約120社を担当してきました。直近の2年間は、既存顧客の取引先から業種の近い会社を洗い出して訪問する方法に変え、新規契約を年18件から31件に増やしています。訪問の前には、相手の業種がいつ発注をかけるかを調べておきます。貴社の法人営業でも、既存のお客様の周りから取引先を広げていくつもりです。
ポイント:数字の前後に「どうやって増やしたか」を1文ずつ置きました。
介護福祉士5年(売上の数字がない)
特別養護老人ホームで5年間、1フロア20名の利用者の生活を支えてきました。夜勤明けの申し送りは30分を超える日が多く、原因は職員ごとに記録の書き方が違うことでした。そこで記録の書式を作りました。項目と順番をそろえたもので、いまはフロアの職員12名が使っています。申し送りは15分ほどで終わるようになり、日勤の職員が早く利用者のもとへ行けるようになりました。貴施設でも、利用者の様子を職員の間で正確に受け渡す役を引き受けます。
ポイント:人数と時間だけで数字を作った例です。
販売4年から事務へ(職種を変える)
アパレルの店頭で4年間、販売と在庫管理を担当しました。週1回の棚卸しではExcelで在庫表を作り直し、数え直しにかかる時間を2時間から40分にしています。接客の仕事でしたが、閉店後に数字を合わせる作業のほうに手応えがありました。事務の経験はまだありません。それでも在庫表の関数やピボットテーブルは毎週使ってきたので、データ入力や集計の仕事にはすぐに入れます。
ポイント:事務の経験がないことを先に認め、事務に近い作業だけを抜き出しました。未経験の書き方は未経験の職務経歴書にもあります。
社会人1年半(経験の期間が短い)
入社してから1年半、法人向けのコールセンターで問い合わせ対応を担当しています。1日に受ける電話は平均40件です。よく聞かれる質問を自分用のメモにまとめていたところ、半年後にはチーム8名で使う回答集になりました。新人が1人で電話を取れるまでの期間は、2週間から1週間に縮んでいます。仕事を覚える速さと、覚えたことを人に渡す工夫には自信があります。貴社でも、まず問い合わせの多い商品から覚えて、早めに1人で対応できるようにします。
ポイント:期間が短い人は、1日の件数のように「量」で経験を見せます。

スマホで書くときの入力欄
履歴書メーカーの職務経歴書は、入力が3つの画面に分かれます。実績は2つ目の「職務経歴」の画面で、会社ごとの「業務内容」の下にある「実績」の欄に入れます。

自己PRは3つ目の「スキル・自己PR」の画面の、いちばん下の欄です。実績の欄を先に埋めておくと、自己PRを書くときに数字を見返しながら書けます。

集計した254件のうち、自己PR欄が空のまま保存されていたのは26件、画面の見本の文をそのまま残していたのは11件でした。PDFにする前に、最後の欄まで自分の文になっているかを見てください。
提出前に見直す5か所
- 履歴書と一字一句同じになっていないか。 強みは同じでも、職務経歴書のほうには出来事の中身を足します。
- 数字が実績欄と食い違っていないか。 実績欄が「月20時間から8時間」なら、自己PRも同じ値です。面接ではこの数字から聞かれます。
- 応募先の呼び方が合っているか。 会社は貴社、病院は貴院、施設は貴施設、店舗は貴店です。
- 長すぎないか。 600字を超えると、PDFで2枚目に数行だけはみ出しやすくなります。
- 見本の文が残っていないか。 職種の例文を入れて始めた人は、最後の欄も自分の言葉に変わっているかを確かめます。
職歴が多くて自己PRまで手が回らない人は、転職回数が多いときの職務経歴書で、社数に触れる自己PRの文例を3本載せています。
よくある質問
Q. 職務経歴書の自己PRは何文字くらい書けばいいですか?
A. 出来事を1つ書くなら200〜300字、2〜3つ並べるなら400〜600字です。履歴書メーカーの集計では、自分で書かれた203件の中央値が223字、200〜299字の人が28%でした。600字を超えるとPDFの2枚目にはみ出しやすくなります。
Q. 履歴書の自己PRと同じ内容でもいいですか?
A. 強みの言葉は同じでかまいません。文は変えます。履歴書は結果だけを短く、職務経歴書は「何が問題で、何を変えて、どうなったか」まで書きます。両方を作った132人のうち、18人がほぼ同じ文を使っていました。
Q. 自己PRに強みを2つ書いてもいいですか?
A. 書いてもかまいません。強みが2つなら出来事も2つ必要になり、400字を超えます。字数を抑えたいときは応募先の仕事に近いほうを1つに絞り、根拠の説明に字数を回します。
Q. 職務要約と自己PRの違いは何ですか?
A. 職務要約は「どんな仕事を何年してきたか」を冒頭で伝える欄、自己PRは「なぜそれができたか」を最後に伝える欄です。職務要約に年数と担当範囲、職務経歴に実績の数字、自己PRに強みと根拠の出来事を書くと、内容が重なりません。
Q. 実績と呼べる数字がない場合はどうすればいいですか?
A. 期間、人数、頻度で書きます。「3年間、毎朝の開店準備を1人で担当」「新人4人に仕事を教えた」でも数字です。事務なら処理件数、介護なら受け持った利用者の人数が使えます。
まとめ
職務経歴書の自己PRは、職務経歴を読み終えた人が最後に読む欄です。職歴の説明は職務経歴に任せ、自己PRには強みを1つと、その強みで実績の数字を出したときの経緯を書きます。
履歴書メーカーの職務経歴書254件を数えると、自己PRに単位つきの数字があったのは8%で、職務経歴に数字を書いた人の半分以上が自己PRでは使っていませんでした。実績欄にある数字を1つ、自己PRへ運ぶ。書き直すならここからです。
職務経歴を入れて、最後の自己PRまで仕上げる
- 職務経歴書を無料で作成する:実績欄と自己PR欄をスマホで入力して、そのままPDFに
- 職務経歴書の書き方:職務要約から自己PRまで、全体の構成

