この記事で分かること
- 履歴書の通勤時間を調べて、欄に書き込むまでの手順
- 5分単位の端数の扱いと、「約0時間45分」のような欄の埋め方
- 在宅勤務・勤務地未定・引っ越し予定のときの書き方
- 厚生労働省の様式に通勤時間欄がない理由と、欄がないときの伝え方
市販の履歴書やJIS規格に近い様式には、住所欄の横あたりに「通勤時間 約 時間 分」という小さな欄があります。乗換案内で調べたら34分と出た。駅まで歩く時間は足すのか、34分のまま書いてよいのか。欄が小さいぶん、数字ひとつで手が止まります。
通勤時間欄の書き方に、法令などの決まりはありません。それでも、採用担当者が読み慣れた書き方はあります。調べ方から欄の埋め方まで順に進め、そのあとで書きにくいケースと、欄そのものがない履歴書の話をします。

学歴や志望動機など、ほかの欄は履歴書の書き方ガイドで順に説明しています。ここでは通勤時間欄に絞ります。
通勤時間欄を埋める手順
手順1:平日の朝の時刻で経路を調べる
乗換案内アプリか地図アプリを開き、出発地に自宅の住所、到着地に応募先の住所を入れます。到着地を最寄り駅にすると、駅から会社までの徒歩が抜けます。住所は求人票の「勤務地」から。会社概要に載っている本社の住所と、実際に働く場所が違う求人もあるので、本社の住所で調べると時間がまるごと変わってしまいます。
時刻の設定を忘れがちです。平日の朝、始業に間に合う到着時刻で検索します。昼や休日のダイヤで調べると、本数や快速の有無が違うので、実際より短く出ることがあります。9時始業なら「8時45分着」で調べる、といった具合です。

手順2:家を出てから会社に着くまでを足す
書くのは片道の時間です。家の玄関を出てから会社の入口に着くまでを数えるので、ドアtoドアと呼ばれます。
足すものは次の4つです。
- 家から駅やバス停までの徒歩
- 電車やバスに乗っている時間
- 乗り換えで歩く時間と待ち時間
- 降りた駅から会社までの徒歩
乗換案内の結果画面に出る「所要時間」は、駅から駅までの数字になっていることがあります。その場合は前後の徒歩を自分で足してください。たとえば徒歩10分、電車27分、徒歩6分なら43分です。
手順3:5分単位にそろえる
通勤時間は5分刻みで書くのが通例です。ただ、端数を切り上げるか四捨五入するかは、解説するサイトによって言うことが違います。端数の扱いにも決まりはないので、迷ったら切り上げてください。43分なら45分、51分なら55分です。
切り上げを勧めるのは、面接で住所を見ながら「ここからだと1時間くらいですか」と聞かれたときに困らないからです。短めに書いた数字が実際より短いと、説明が必要になります。長めに書いておけば、着いてみたら早かったで済みます。
手順4:「約○時間○分」の欄に数字を入れる
欄にはたいてい「約」「時間」「分」が印刷されていて、数字だけを書き込む形です。
| 調べた時間 | 欄の書き方 |
|---|---|
| 43分 | 約 0 時間 45 分 |
| 58分 | 約 1 時間 00 分 |
| 1時間12分 | 約 1 時間 15 分 |
| 徒歩8分 | 約 0 時間 10 分 |
1時間に満たないときも、時間のところに「0」を入れます。空けたままだと、読み手には書き忘れに見えます。1時間ちょうどなら「00」。「約」は印刷されているので、自分でもう一度書く必要はありません。
手順5:交通手段を書き添える
欄の横や下に余白があれば、「電車・徒歩」「バス・徒歩」のように交通手段を小さく添えます。路線名まで書くなら「JR中央線 ○○駅〜○○駅」です。余白がなければ省いて構いません。
車やバイクで通うなら、「自家用車」「原動機付自転車」と書きます。会社によっては車通勤を認めていないので、求人票の「マイカー通勤」の記載を先に確かめます。認められているか分からないときは、本人希望記入欄に「自家用車での通勤を希望します」と書き、面接で確認します。
経路が何通りもあるとき
書くのは最短の経路の時間です。ただし特急や新幹線を使う経路だと、会社が出す交通費の上限を超えることがあります。求人票に「交通費支給 月3万円まで」のような上限があれば、上限の中で毎日通える経路の時間を書きます。
電車でもバスでも行けるなら、毎日使うつもりの方。駅まで自転車で行くつもりなら、駅までは自転車の時間で計算して構いません。差が5分なら、乗り換えの少ない方で。面接で「どうやって来ますか」と聞かれたら、書いた時間と同じ経路を答えます。

在宅・勤務地未定・引っ越し予定のとき
欄に書く数字が1つに決まらないケースです。どれも、欄には書ける数字を入れて、事情は本人希望記入欄で補います。
| ケース | 通勤時間欄 |
|---|---|
| フルリモート | 横線を引き、在宅勤務と添える |
| 出社日がある在宅勤務 | 出社先までの時間 |
| 勤務地が未定・複数 | 希望する拠点までの時間 |
| 引っ越し先が決まっている | 転居先からの時間 |
| 採用後に引っ越すつもり | 今の住所からの時間 |
| 寮・社宅を使いたい | 今の住所からの時間 |
勤務地が複数ある会社なら、時間のあとに「(○○店まで)」と書き添えます。どの拠点で計算したかが分からないと、数字だけ見ても判断できないからです。
引っ越し先が決まっているときは、住所欄は今の住所のままにして、通勤時間欄に転居先からの時間を書き、横に「12月転居後」のように時期を添えます。まだ決まっていないなら今の住所から計算し、本人希望記入欄に一文足します。
採用いただいた場合は、通勤1時間以内の地域へ転居する予定です。入社日までに転居を済ませます。
在職中の人は、入社できる時期と転居の時期がずれないように書いてください。入社時期の書き方は在職中の履歴書の書き方にあります。
通勤時間欄がない履歴書
ここまでは欄がある前提で書きました。ただ、通勤時間欄のない履歴書もあります。
2021年4月、厚生労働省は新しい履歴書の様式例を公表しました。発端は前年の7月、日本規格協会がJIS規格の解説から履歴書の様式例を削除したことです。厚生労働省の様式例には「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4つの欄がありません。
プライバシーへの配慮です。応募者のプライバシーの要素が高い情報だから、と資料に書かれています(厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」)。
欄がない様式なら、通勤時間は書かなくて構いません。同じ資料には面接での質問例も載っていて、その中に、通勤時間が一定より長い人へ宿舎を使うか聞く例があります。履歴書に書かなくても、面接で聞かれたら答えられるように、手順1〜3で時間を調べておきます。

履歴書メーカーの様式も、厚生労働省様式に沿っています。JIS見開き、パート・アルバイト用を含め、どの様式にも通勤時間欄はありません。扶養家族欄がない場合の扱いは履歴書の扶養家族の書き方で説明しています。
履歴書メーカーの1,193件に書かれていた通勤の話
欄がないので、通勤のことを書きたい人は本人希望記入欄か志望動機に書くしかありません。2026年8月1日から10月28日に作られ、学歴か職歴が入っていた履歴書1,193件を、個人が分からない形で数えました。
本人希望記入欄に「通勤時間」と書いた人は4人でした。「車通勤希望」のような通勤方法を書いた人は5人です。欄がなければ、ほとんどの人は通勤時間をどこにも書いていません。
志望動機のほうは少し様子が違います。

志望動機を書いた634人のうち、通勤や家からの近さに触れたのは27人、4.3%でした。パート・アルバイト用の様式では10.8%で、それ以外の3.0%の3倍を超えます。シフトの仕事では、近くて通い続けられることが志望理由の一部になっている、と読めます。
通勤を分の数字で書いていたのは7か所でした。7か所とも5の倍数で、うち6か所に「約」「ほど」「程度」が付いていました。件数が少ないので参考までですが、手順3の書き方と合っています。
志望動機に近さを書くなら、「家から近いので」で終えず、「自転車で10分なので、早番の日も遅れずに入れます」のように時間と結び付けます。パートの書き方はパートの志望動機の書き方、アルバイト全般はアルバイトの履歴書の書き方にあります。
履歴書メーカーで通勤時間を伝えるとき
応募先から通勤時間を書くよう指示があったときや、近さをはっきり伝えたいときは、本人希望記入欄に1行目として書きます。入力画面の「自己PR・希望欄」を開くと、自己PRの下に本人希望記入欄があります。

2行目に内訳を書くと、徒歩や電車をどう足した時間かが読み手に伝わります。最後を「その他は貴社規定に従います。」で締めておけば、ほかに希望がないことも伝わります。
PDFでは、2枚目の本人希望記入欄に入力したとおりに印字されます。

本人希望記入欄は空欄なら「貴社規定に従います。」と自動で入ります。ほかの書き方は本人希望欄の書き方にまとめています。
通勤時間欄でよくあるミス
- 電車に乗っている時間だけを書く。家から駅、駅から会社までの徒歩が抜けると、10分以上短くなることもあります
- 往復の時間を書く。欄に書くのは片道です
- 休日や昼の時刻で調べる。平日の朝の到着時刻で調べ直します
- 1時間未満で「時間」を空ける。「0」を入れます
- 特急を使う経路で書く。交通費の上限を超えるなら、毎日使える経路の時間に直します
- 欄のない様式に書き足す。厚生労働省様式の枠の外に通勤時間を書き込む必要はありません。伝えるなら本人希望記入欄です
よくある質問
Q. 履歴書の通勤時間は片道と往復のどちら?
A. 片道です。家を出てから会社に着くまでの時間を書きます。
Q. 通勤時間の5分単位は切り上げと四捨五入のどちら?
A. 決まりはありません。迷ったら切り上げをすすめます。43分なら45分です。実際より短く書くと、面接で住所から計算されたときに説明が要ります。
Q. 通勤時間が長いと不利になる?
A. 何分を超えたら不利、という決まりはありません。ただ1時間半を超えるなら、本人希望記入欄に「乗り換えなしで座って通えます」「入社後は近くへ転居する予定です」のように、続けて通える事情を一文添えておくと、面接で聞かれたときの話も早く済みます。
Q. 厚生労働省様式の履歴書には通勤時間をどこに書く?
A. 書かなくて構いません。厚生労働省の様式例は、プライバシーへの配慮から通勤時間欄を設けていません。応募先から求められたときだけ、本人希望記入欄に書きます。
Q. フルリモートの求人でも通勤時間欄を埋める?
A. 欄がある履歴書なら横線を1本引き、横に「在宅勤務」と添えます。月に数回の出社があるなら、出社先までの時間を書きます。
まとめ
通勤時間欄は、平日の朝の時刻で経路を調べ、家から会社までの片道を足し、5分単位に切り上げて書けば埋まります。1時間未満でも「0時間」と入れ、交通手段は余白があれば添えます。
厚生労働省の様式例には、通勤時間欄がそもそもありません。履歴書メーカーで書かれた1,193件でも、本人希望記入欄に通勤時間を書いた人は4人でした。欄があれば手順どおりに書き、欄がなければ書かずに出して、面接で聞かれたら答えられるようにしておく。この2通りで足ります。
通勤時間欄のない様式で、迷わず書ける
- 履歴書を無料で作成する:厚生労働省様式に入力するだけでPDFに
- アルバイト・パート用の履歴書テンプレート:本人希望記入欄に勤務時間や通勤の希望を書ける

