この記事で分かること
- 実際に書かれた営業の志望動機81件の傾向
- 販売・コールセンター・ドライバーなどの前職を、営業の実績に言い換える表
- 未経験・第二新卒・経験者と、法人・個人・ルート・新規開拓の例文8本
営業職の志望動機で、相談に来る人の多くが最初に書いてくるのが「人と話すことが好きです」です。本人は本気でそう思っている。ただ、採用側はその一文から何も判断できません。
履歴書メーカーで書かれた営業職向けの志望動機81件を数えると、「提案」「信頼」は3〜4割の人が書いていて、数字の実績は5%しか出てきませんでした。その集計と、法人・個人・ルート・新規開拓など立場別と営業の種類別の例文8本を載せています。

営業以外の職種も見たい場合は、志望動機の例文集【職種別12種】にまとめています。
実際に書かれた営業の志望動機81件で分かったこと
2026年8月から10月に履歴書メーカーで作られた履歴書のうち、志望動機欄に「営業」が入っていたものは81件ありました。氏名や会社名は外し、文字数と「提案」「達成」などの言葉が入っているかを数えました。

まず、営業の志望動機は長い。文字数の中央値は262字。全職種の158字より100字以上多く、300字を超える人も36%いました。書く材料を持っている人が多い職種です。
中身を見ると、「信頼」が38%、「課題」や「ニーズ」が36%、「提案」が33%。営業で見られる言葉はみんな知っています。ところが、数字の実績を書いた人は5%、目標や達成に触れた人は9%でした。「課題を聞いて提案してきた」と書いた人のうち、それで何件取れたかまで書いた人はほとんどいません。営業の採用担当が最初に探すのは、その数字です。
「やりがい」は25%で、全職種の8%の3倍。やりがいの一言では成果が伝わらないので、感じた場面に数字を1つ足します。
年齢は20代が53%、30代は29%。未経験と書いた人は17%で、経験者の転職と未経験からの応募が同じくらい混ざっています。
営業の志望動機の組み立て(4つの話)
下の4つを順に、1〜2文ずつ書きます。営業の場合は、どこかに数字を1つ入れます。
- なぜ営業の仕事を選んだか。前職や日常で、相手の要望を聞いて提案し、結果が出た場面を書きます。
- なぜこの会社か。商材、顧客層、営業のやり方(新規開拓・ルート、個人・法人)のうち、求人票から1つ拾います。
- 何を活かせるか。前職の経験を「聞く力」「提案」「数字への責任」「続ける力」のどれかに言い換えます。
- 入社後どうしたいか。何年でどこまで、と期限を入れます。「3年で主力の担当に」「1年で単独受注」のように。
「なぜこの会社か」で迷ったら、厚生労働省の職業情報サイト「job tag」の営業の仕事を一度見てください。法人・個人、新規開拓・ルート・反響・飛び込みの違いがまとまっています。応募先がどの型かを求人票と照らしてから書きます。
「何を活かせるか」は、販売や事務から移る人ほど、営業の言葉に置き換えにくい部分です。前職別に言い換えの例を並べました。
| 前職 | 営業で使える経験の言い方 |
|---|---|
| 販売・接客 | 来店の目的を聞いて、別の商品を勧めて買ってもらった |
| 飲食店 | 常連を増やし、客単価や来店数を伸ばした |
| コールセンター | 1日50件の電話で、相手の用件を3分で聞き取った |
| 事務・営業事務 | 見積や納期の調整で、営業と顧客の間に立ってきた |
| 介護・保育 | 利用者と家族の要望を聞き、ケアの内容を変えてきた |
| 配送・ドライバー | 配達先の担当者と毎日顔を合わせ、頼まれごとに応えてきた |
本音は給料やインセンティブ、という人もいます。隠す必要はありませんが、志望動機に書くと条件で選んだ人に見えます。「数字で評価される環境に身を置き、目標を追いたい」と言い換えます。勤務地や働き方の希望は本人希望記入欄に書きます。
店長からルート営業への例文をPDFにした見本
履歴書メーカーの志望動機欄の上に、「営業向け」というボタンがあります。押すと、課題を聞いて信頼を築いてきた経験を活かしたい、という短い文が入ります。そこに自分の前職と数字を足していく形で書けます。

飲食店の店長から食品卸のルート営業に応募する例文をPDFにすると、自己PRと共用の欄に約240字が4行で入り、半分弱が埋まりました。下の画像はその左側の拡大です。残る半分に自己PRを2〜3文書くと、欄がちょうど埋まります。

未経験・第二新卒・経験者・ブランクありの営業の例文
「月の売上が1割」「担当40社」などの数字は、自分の前職の実績に差し替えてください。
未経験・正社員(飲食店の店長 → 食品卸のルート営業)
飲食店で5年間、うち2年は店長として仕入れと販促を担当してきました。取引先の営業担当の方と毎週メニューを一緒に考え、提案された新商品で月の売上が1割伸びたことがあり、今度は自分が提案する側に回りたいと思うようになりました。貴社は飲食店向けの業務用食材に強く、営業が売場の提案まで行うと求人票で知り志望しました。未経験ですが、店の数字を毎日見てきた経験は、取引先の売上を一緒に考える場面で活かせます。まずは担当店舗を回ることから始め、3年で主力の担当を任せてもらえるようになりたいです。
ポイント:営業される側だった経験を、営業する側の動機に裏返しています。「月の売上が1割」の数字が未経験の弱さを補います。
第二新卒(入社2年の一般事務 → 住宅設備メーカーの営業)
新卒で建材商社に入社し、2年間、営業事務として見積書の作成と納期の調整を担当してきました。営業担当が不在のときに取引先から相談を受け、代わりに納期を調整して感謝されたことが、自分で担当を持ちたいと考えたきっかけです。工務店向けにキッチンや浴室を提案し、商品を見て説明する機会が多い貴社の営業に魅力を感じました。月120件の見積を期日内に出してきた段取りは商談の準備で活かせます。1年で担当の工務店を持ちます。2年目には自分の提案で受注を取ります。
ポイント:この例文の順番は、辞めた理由に触れず「担当を持ちたい」という動機だけで組み立てています。2年で辞めた理由は、面接で聞かれたときに答えます。答え方は退職理由の書き方に。
経験者の転職(法人営業5年 → 同業の別メーカー)
業務用厨房機器のメーカーで5年間、法人営業として飲食チェーン約40社を担当してきました。既存の取引先の出店計画に合わせて提案を続け、担当エリアの売上を2年間で120%に伸ばしています。直近は省エネ型の機器を求める声が増えており、その分野に強い貴社の製品なら、取引先の光熱費の課題にそのまま応えられると考えて志望しました。飲食業界との接点はそのまま持ち込めます。入社後は既存の取引先の深耕から始め、初年度で担当エリアの新規3社の開拓を目標にします。
ポイント:同業からの転職で面接官が最初に知りたいのは、「顧客を持ち込めるか」です。担当社数と伸び率を1行で出しています。
ブランクあり(出産で退職 → 不動産賃貸の個人営業)
出産を機に賃貸仲介の営業を退職し、4年間は子育てに専念してきました。下の子が保育園に入り、平日の日中と土曜日に働けます。退職前は3年間で年間約150件の契約を担当し、店舗で2番目の成績でした。来店されたお客様の希望条件を聞き、予算に合う物件を3件に絞って案内する進め方は今も変わらず使えます。反響対応が中心で夜の接客が少ない点も、長く続けられると感じた理由です。宅地建物取引士は維持しています。重要事項説明もすぐに担当できます。
ポイント:ブランクの人は「いつから、どの時間帯で働けるか」を最初に答えます。前職の数字と今も使える資格がそろえば、空白の4年間は気にされにくくなります。
営業の種類別の志望動機の例文

法人営業(コールセンター → ITサービスの法人営業)
通信会社のコールセンターで4年間、法人のお客様からの問い合わせ対応を担当してきました。1日50件の電話で相手の状況を聞き取り、解約の相談から上位プランへの切り替えにつなげた件数は部署で3年続けて1位です。ただ、電話だけでは解決できない相談も多くありました。お客様の会社に出向いて提案したいと考えたのはそのためです。貴社の勤怠管理サービスは、現場で何度も聞いた「残業の集計に時間がかかる」という悩みをそのまま解決するものです。半年で商談を単独で進め、1年目で月3件の受注を目指します。
ポイント:法人営業では、相手の会社の複数の人と話を進める力を見られます。電話で聞き取った悩みを商材に結びつけたので、「なぜこの会社か」に説得力が出ます。
個人営業(携帯ショップの販売 → 自動車ディーラーの営業)
携帯ショップで3年間、個人のお客様への提案販売を担当してきました。来店の目的とは別に困りごとを伺い、料金プランの見直しを提案した結果、店舗の付帯サービスの契約率を前年の1.4倍にしています。一度の販売で終わる関係から、車検や買い替えまで何年も付き合う営業に移りたいと考えました。納車後の点検も担当者が窓口になる貴社なら、長く信頼してもらう営業ができます。まずは商品知識から。1年目は店舗の平均台数を目標にします。
ポイント:付帯サービスの契約率「1.4倍」が、販売から営業へ移れる根拠です。自動車営業は買い替え時期を見ながら何年も付き合う仕事なので、関係が続く点に触れています。販売の経験を軸に書きたい人は販売の志望動機の例文も参考になります。
ルート営業(配送ドライバー → 飲料メーカーのルート営業)
食品の配送ドライバーとして6年間、スーパーとコンビニ約30店舗に毎日配達してきました。配達のたびに店長から欠品や売れ筋の話を聞き、営業担当に伝えて発注量を変えてもらったところ、担当店舗の返品が月20ケースから5ケースに減りました。この経験から、自分で提案まで担当したいと考えています。貴社は配送と営業が分かれており、担当店舗の棚づくりまで営業が関わると知り志望しました。6年間無事故で、担当店舗の方々とは今も顔なじみです。入社後は担当店舗の売上を初年度で前年比105%にすることを目標にします。
ポイント:ルート営業は「御用聞きで終わらないか」を見られます。既存の取引先で数字を動かした経験が効きます。
新規開拓(不動産仲介 → Web広告の新規開拓営業)
不動産仲介の営業として3年間、来店対応に加えて地域の事業者への飛び込み訪問を続け、年間で新規の管理物件を30件獲得しました。断られた相手には時期を変えて再訪し、最初は門前払いだった会社から半年後に大口の依頼を受けたこともあります。この粘りを、貴社の新規開拓営業で活かしたいと考えています。貴社は中小企業向けのWeb広告に絞っていて、まだ広告を出していない会社が多い市場です。だからこそ、自分から会いに行く営業に価値があるはずです。入社後は月の初回接触を自分で50件と決め、行動量と提案の両方で早く成果を出します。
ポイント:新規開拓で問われるのは行動量と、断られた後の工夫です。「30件」「半年後」「月50件」と数字を3つ入れました。
営業で生きる資格と、履歴書への書き方

営業は、資格がなくても応募できる職種です。job tag の自動車営業のページにも、入職に学歴や資格は特に必要ないと書かれています。ただし業界によっては、持っていると配属や担当範囲の変わる資格もあります。
- 普通自動車免許。外回りや納車がある営業ではほぼ必須です。AT限定なら「AT限定」まで書きます
- 宅地建物取引士。不動産営業では、重要事項説明を自分でできるかで仕事の幅が変わります
- ファイナンシャル・プランニング技能士、生命保険募集人。保険や金融の営業で商談の説明に使えます
- 日商簿記。取引先の決算書を読む法人営業で話が早くなります
持っている資格は免許・資格欄に正式名称で書き、志望動機では「実際に使ったか」に触れると伝わり方が変わります。上のブランクありの例文の宅地建物取引士がその形です。
普通免許や簿記は、学歴・職歴の画面の続きにある免許・資格欄で、「行を追加」を押して1行ずつ入れます。宅地建物取引士も同じ欄です。

PDFでは、普通免許と日商簿記3級が、取得・合格の年月と一緒に出ます。

勉強中の資格は「宅地建物取引士 取得に向けて学習中」と書いて問題ありません。正式名称の確かめ方は免許・資格欄の書き方にまとめています。
営業の志望動機で損をする書き方
- 「人と話すことが好きです」だけで終わる。話した結果、何件取れたか・いくら伸びたかを数字で添えます
- 「貴社の理念に共感しました」だけで終わる。どの会社にも出せる文です。商材・顧客層・営業の型のどれかに触れます
- 「インセンティブに魅力を感じました」。条件で選んだように見えます。目標を追う姿勢に言い換えます
- 「ノルマがないと聞いて」。数字を避けたい人に見えます。目標を追う仕事なので、志望動機には書きません
- 実績を並べるだけで、なぜこの会社かがない。実績の一覧は職務経歴書の仕事です。履歴書では1つに絞ります
- 例文をそのまま使う。例文の売上や件数をそのまま使うと、面接で実績の中身を聞かれたときに答えられません。数字は自分の前職のものに
よくある質問
Q. 営業未経験でも、志望動機で勝負できますか?
A. できます。販売、飲食、コールセンター、事務など、相手の要望を聞いて動いた経験があれば営業の材料になります。上の前職別の表から1つ選び、数字を添えてください。未経験の部分は隠さず、期限を書きます。
Q. 法人営業と個人営業で志望動機は変えるべきですか?
A. 変えます。法人営業は相手の会社の複数の人と長く進める力、個人営業はその人に選ばれて買ってもらった経験を見られます。上の2本の例文で実績の種類が違うのはそのためです。
Q. 営業は長めに書く人が多いですが、何字までがいいですか?
A. 営業でも200〜250字に収めます。実際に書かれた81件の中央値は262字で、営業は長めに書く人が多い職種です。ただ300字を超えると欄に入りきらない履歴書もあります。志望動機250字に自己PRを2〜3文足すと、共用の欄がほぼ埋まります。
Q. 職務経歴書にも志望動機は必要ですか?
A. 職務経歴書に志望動機欄はないことが多いので、書くなら「自己PR」として実績を中心にまとめ、履歴書の志望動機と内容をそろえます。営業の職務経歴書は営業向けのテンプレートから作れます。全体の書き方は職務経歴書の書き方に。
まとめ
営業の志望動機に入れるのは、営業を選んだ理由、その会社の商材や顧客層を選んだ理由、前職の数字、入社後の目標の4つです。
実際に書かれた81件を見ると、「提案」「信頼」「課題」は3〜4割の人が書いていました。数字の実績を書いた人は5%です。前職の数字を1つ入れ、入社後の目標にも「1年で月3件」のような期限と数字を付けます。
例文を選んだら、そのまま履歴書に
- 履歴書を無料で作成する:志望動機欄に貼り付けて、会社名と数字を差し替えるだけ
- 営業の職務経歴書を作成する:営業向けの職務要約と実績の書き方つき
- 志望動機の例文集【職種別12種】:営業以外の職種の例文

