この記事で分かること
- 実際に書かれた志望動機946件の、1文目と最後の1文の傾向
- 書き出しの型3つと例文8本、締めの型と例文8本
- 「一日でも早く貢献できるよう努めてまいります」の言い換え
真ん中のエピソードは書けるのに、最初の1文と最後の1文で30分止まる。相談に来る人の多くがここで悩んでいます。
2026年8月から10月に履歴書メーカーで作られた履歴書から、志望動機が書かれていた946件を抜き出し、「1文目」と「最後の文」だけを並べて数えました。1文目は中央値50字、締めの語尾は「考えております」と「考えています」がほぼ半々です。その傾向を踏まえて、そのまま差し替えて使える書き出し8本と締め8本を載せています。

志望動機の全体の組み立てと職種別の例文は、志望動機の例文集【職種別12種】にまとめています。ここから下は、最初の1文と最後の1文だけを扱います。
実際に書かれた志望動機946件の書き出しと締めで分かったこと
2026年8月から10月に履歴書メーカーで作られた履歴書1,206件のうち、志望動機欄に30字以上書かれていたものは946件でした。個人が分からない形で、1文目と最後の文の形だけを数えています。
まず書き出し。1文目を「これまで」で始めた人が27%いました。「私は」「私が」で始めた人は10%、「貴社の」で始めた人は2%です。1文目の中身で分けると、自分の経験から入った人が60%、「〜のため志望しました」と志望の宣言から入った人が18%、会社の魅力や理念から入った人は6%でした。転職サイトの多くは「経歴の羅列から入るな」と書きますが、実際は6割が経験から書き出しています。私はこれを否定しません。経験から入るなら、数字を1つ入れて1文で切る。 それで十分に読めます。
1文目の長さは中央値50字。31〜60字の人が61%で、100字を超える人は1%もいませんでした。1文目に数字(年数・件数)を入れた人は10%です。
次に締め。

最後の文に「貢献」が入る人は24%で最多でした。そのうち「経験を活かして貢献したい」の形が14%、「貢献したいと考えております(います)」の形が17%。つまり946件のうち130件前後が、ほぼ同じ1文で終わっています。
2番目に多かったのが「〜のため志望しました」で終わる形の23%。これは志望の理由を言って、入社後の話をせずに終えた人です。締めが「理由」で終わると、読み手は「で、入ったら何をするの」が分からないまま次の履歴書に移ります。
検索で多い「一日でも早く貢献できるよう努めてまいります」は、946件中2件(0.2%)でした。「即戦力」も4件。定型文を避けたい気持ちは、書く側にもあるようです。語尾は「〜と考えております」が15%、「〜と考えています」が14%でほぼ同数。どちらを使うかで差はつきません。
年齢別に見ると、締めに「貢献」を使った割合は30代38%、20代以下22%、40代以上18%。30代が一番、型どおりに書いています。
志望動機の書き出しの書き方

ハローワークの応募書類の作り方(履歴書)は、志望の動機に入れる内容を「応募先企業を選択した理由」「自分の経験・能力のアピール」「意欲」の3点としています。書き出しは、このうち最初の2つのどちらかから入ります。
書き出しの3つの型
- 経験から入る。 「これまで○年間、○○で○○を担当してきました。」946件の6割がこの形です。年数か件数を1つ入れると、2文目の志望理由につながります。
- 会社の理由から入る。 「貴社が○○と求人票で知り、志望しました。」求人票・店舗・商品のどれか1つを、固有の言葉で書きます。「成長性に魅力を感じ」は他社にも言えるので、書き出しには使いません。
- きっかけから入る。 「○○をきっかけに、○○の仕事に就きたいと考えるようになりました。」未経験や異業種からの応募で使います。
どの型でも、1文目は60字以内で切ります。 100字を超えると、読み手が最初の1文で息切れします。「私は」は要りません。履歴書の志望動機欄は書いた本人の欄なので、主語を省いても誰の話か分かります。
書き出しの例文8本
会社名・年数・数字は自分のものに差し替えてください。番号は、後に出てくる締めの例文と対応しています。
これまで5年間、食品スーパーで接客と発注を担当し、担当売場の売上を前年比108%にしてきました。
ポイント:経験者の基本形。「5年間」「108%」の2つの数字で、2文目を読む気にさせます。
飲食店で3年間ホールを担当し、1日150組の注文を間違えずに通してきました。この正確さを、貴社の検品の仕事で活かしたいと考え応募しました。
ポイント:未経験の応募は、前職の経験を志望先の仕事に橋渡しする1文を足します。工場の志望動機の例文と同じ考え方です。
貴社が未経験者向けに3か月の研修と資格取得の費用補助を設けていると求人票で知り、介護の仕事を始めるなら貴社でと考え応募しました。
ポイント:会社の理由から入る形。「研修3か月」「費用補助」と求人票の言葉をそのまま使っています。
毎日使っている貴社の洗剤が、今年から原料を国産に切り替えたと知ったことが、応募のきっかけです。
ポイント:商品を知っている人にしか書けない1文。短いぶん、2文目で自分の経験に入れます。
病棟で7年間、退院支援に関わるうちに、退院した後の暮らしを支える側に回りたいと考えるようになりました。
ポイント:きっかけから入る形。同じ職種の中で働き方を変える人は、「なぜ変えるか」を先に書きます。
下の子が小学校に上がり、平日9時から15時まで働けるようになったため、自宅から自転車で10分の貴店に応募しました。
ポイント:パートの書き出しは条件から入って構いません。時間と通勤に無理がないことを、採用側は最初に知りたいからです。パートの志望動機も同じ形です。
大学で4年間、学習塾のアルバイトで中学生30人の英語を担当したことが、教材を作る仕事を志望した理由です。
ポイント:新卒・第二新卒は、職歴の代わりにアルバイトや学業の数字を1つ入れます。
法人営業で得意先120社を担当した経験を、貴社の既存顧客向けの提案営業で活かしたいと考え、志望しました。
ポイント:志望の宣言から入る形。「120社」と「既存顧客向け」で、何を活かすかが具体的になっています。
志望動機の締め方
締めは「入社後に何をするか」を1文で書いて終えます。946件で一番多かった「経験を活かして貢献したいと考えております」は、会社名を入れ替えれば誰にでも使える1文です。締めに入れるのは、期間と仕事の中身です。 「3か月で」「1年後には」のような期間と、「売場を持つ」「夜勤に入る」のような具体的な仕事を書くと、同じ「貢献」でも読み手の頭に絵が浮かびます。
語尾は言い切ります。「〜します」「〜なります」「〜取り組みます」。「〜つもりです」「〜できればと考えています」のようにぼかした形は自信がなく見えるので、締めには使いません。「〜と考えております」と「〜と考えています」はどちらでも通ります。集計でも半々でした。
締めの例文8本
書き出しの例文と同じ番号が、同じ人の締めです。
入社後は発注と在庫管理から覚え、2年目には売場の責任者として店の売上に貢献します。
ポイント:「貢献」を使うなら、その前に「いつ」「何で」を置きます。
まずは検品の基準を1か月で覚え、前職と同じミスゼロの記録を貴社でも続けます。
ポイント:未経験の締めは「覚える」で終わらせず、覚えた後の状態まで書きます。
介護職員初任者研修を半年以内に修了し、夜勤にも入れる職員になります。
ポイント:資格と期限を入れた締め。介護の志望動機で詳しく扱っています。
充填ラインの手順を1か月で覚え、不良を出さない日を積み重ねます。
ポイント:製造や倉庫の締めは、安全と正確さに触れる1文で終えます。
病棟で培った退院調整の経験を貴社の訪問看護で活かし、1年後には月60件の訪問を一人で回ります。
ポイント:経験者は「活かす」の後に、入社後の数字を続けます。
週4日の勤務を休まず続け、1年後にはレジ締めまで任せてもらえるパートになります。
ポイント:パートは「続けられること」と「任される範囲が広がること」の2つで締めます。
まずは既存教材の改訂から取り組み、3年後には自分の担当教材を持ちます。
ポイント:新卒・第二新卒は「学びたい」で終わらず、3年後の到達点を書きます。
入社後1か月で商品と担当先を覚え、3か月目には一人で提案に出られるよう取り組みます。
ポイント:「一日でも早く貢献できるよう努めてまいります」を、期間を入れて書き直した形です。
「一日でも早く貢献できるよう努めてまいります」の言い換え
この定型文で検索する人が多いので、場面別の言い換えを載せます。元の文の「一日でも早く」を期間に、「貢献」を仕事の中身に置き換えるだけです。
| 場面 | 言い換え |
|---|---|
| 未経験で入る | 3か月で一人で担当を持てるよう取り組みます |
| 経験者 | 前職の○○の経験を、初月から○○で活かします |
| パート・アルバイト | 週○日を休まず続け、1年後に○○を任される人になります |
| 資格を取る | 半年以内に○○の資格を取り、○○の業務に入ります |
| 年数を区切る | 1年目に○○を覚え、2年目には○○を担当します |
ハローワークのパンフレットも、「貴社で学びたい」「充実感を得たい」のような個人的で一方的な希望だけでは、具体的で説得力のあるメッセージがなければアピールになりにくいとしています。締めが「学ばせていただきます」で終わる人は、上の表のどれかに変えてください。
書き出しと締めのつなげ方

書き出しで言った目的に、締めで戻ります。1文目が「売上を前年比108%にした」なら、最後は「店の売上に貢献する」。1文目が「退院後の暮らしを支える側に回りたい」なら、最後は「訪問看護で月60件を回る」。最初と最後が同じ話題でつながっていると、間のエピソードが短くても1本の文章に読めます。
書き出しの例文1と締めの例文1をつないだ全文です。159字。
これまで5年間、食品スーパーで接客と発注を担当してきました。担当売場の売上は前年比108%です。数字を見て売場を変える仕事を続けたいと考えていたところ、貴社が店長候補の募集で入社1年目から売場づくりを任せると求人票で知り、志望しました。入社後は発注と在庫管理から覚え、2年目には売場の責任者として店の売上に貢献します。
ポイント:書き出し、実績、会社の理由、締めの4文です。946件の文の数は中央値で3文でした。4文で200字前後が、履歴書の欄に収まる目安です。
書く順番は、締めを先に決める方が速い。入社後に何をするかが決まれば、そこから逆算して1文目に何の経験を置くかが決まります。応募先の仕事の中身が分からなければ、厚生労働省の職業情報サイトjob tagで職種ごとの仕事内容を確認できます。
履歴書メーカーで書き出しと締めを入れたPDFの見本
履歴書メーカーの志望動機欄の上には、職種別の書き出しを入れるボタンがあります。「販売向け」を押すと、接客の姿勢を書いた2文が入ります。これを自分の数字に書き換えて、締めを足していく形です。

上の全文の例を入れると、欄の右上に文字数が出ます。159文字。志望動機欄は自己PRと共用なので、ここに自己PRを2〜3文足すと欄がちょうど埋まります。

PDFにしたときの志望動機欄が、下の画像です。左側を拡大しました。4文で3行。欄の上から3分の1ほどが埋まります。

書き出しと締めでよくあるミス
- 「志望動機」と欄の中に見出しを書く。 946件のうち4.5%が、本文の前に「志望動機:」と書いていました。欄に見出しは印刷済みなので要りません
- 1文目が100字を超える。 経験を全部1文に詰めると読めません。年数と担当を1つずつ、60字以内で
- 「貴社の成長性に魅力を感じ」で始める。 どの会社にも言えます。求人票の言葉を1つ入れます
- 締めが「志望しました」で終わる。 23%がこの形でした。入社後の1文を足します
- 「学ばせていただきます」で締める。 会社は学校ではないので、学んだ後に何をするかまで書きます
- 「〜つもりです」「〜できれば」で締める。 言い切ります
- 「頑張ります」の一言で締める。 何をどう頑張るかが抜けています。期間と仕事の中身に変えます
- 前職の不満を書き出しにする。 「前職は残業が多く」から入ると、読み手は理由の方に目が行きます。退職理由は退職理由の書き方の形で別に用意します
よくある質問
Q. 志望動機の書き出しは何から書けばいいですか?
A. 自分の経験か、会社を選んだ理由のどちらかを、60字以内の1文で書きます。履歴書メーカーの946件では6割が「これまで○年間、○○を担当してきました」のように経験から始めていました。経験から入るなら、年数か件数を1つ入れます。
Q. 志望動機の締めは「貢献したい」で終わっていいですか?
A. 構いませんが、その前に期間と仕事の中身を置きます。946件のうち24%が「貢献」で締めていて、「経験を活かして貢献したいと考えております」の形だけで130件前後ありました。「2年目には売場の責任者として店の売上に貢献します」のように、いつ何で貢献するかを足すと、同じ言葉でも印象が変わります。
Q. 「一日でも早く貢献できるよう努めてまいります」は使っていいですか?
A. 使えますが、「一日でも早く」を「3か月で」のような期間に、「貢献」を「一人で担当を持つ」のような仕事の中身に置き換える方が伝わります。946件の集計では、この定型文をそのまま書いた人は2件でした。
Q. 志望動機の最後は「よろしくお願いします」で締めますか?
A. 書きません。志望動機は手紙ではないので、あいさつは不要です。946件のうち「よろしくお願いします」で終えた人は1%でした。最後の1文は入社後に何をするかで終えます。
Q. 志望動機の語尾は「考えております」と「考えています」のどちらがいいですか?
A. どちらでも通ります。946件では「考えております」が15%、「考えています」が14%でほぼ同じでした。1枚の履歴書の中で、どちらかに揃えます。締めの1文だけは「〜します」と言い切る形にすると、文章が締まります。
まとめ
志望動機の書き出しは、経験か会社の理由を60字以内の1文で。締めは、入社後に何をするかを期間と仕事の中身つきで言い切る。この2つが決まれば、間のエピソードは2文で足ります。
実際に書かれた946件を見ると、書き出しの6割は経験から、締めの4分の1は「貢献したい」で終わっていました。型どおりで構いません。1文目に数字を1つ、最後の1文に期間を1つ。それだけで、同じ型の他の履歴書と並んだときに読み手の目が止まります。
書き出しを入れたら、そのままPDFに
- 履歴書を無料で作成する:職種別の書き出しボタンつき。文字数を見ながら締めまで書けます
- 志望動機の例文集【職種別12種】:職種ごとの全文の例文

